トレーラーの法律

トレーラー本体編

トレーラー本体の法律

 前回の記事でトレーラーにはナンバープレートが必要という話を書きましたが、これは立派な?一台の車として認められているわけで、当然車検も有れば、自賠責保険の加入も必要で、おまけに重量税や自動車税まで払わなくてはいけません。それではナンバーを取得しないで走り回っている人たちが、そのお金を払いたくないからナンバーを付けていないのでしょうか?私はそうは思っていません。私も最初は何も知らないで車検の取れないトレーラーを購入してしまいました。これは組み立てキットのため、だれでも安価で購入できますが、当然バラバラの部品で運ばれてくる為に車という認識はありませんでした。つまり、販売している側にも、そのような認識が無く、ただ売れればいいという商売優先の気持ちが有ったのではないでしょうか?その後一ヶ月も経たずに、ナンバーを取得できるトレーラーを購入したのは言うまでも有りません。一ヶ月で2台も購入した私のような被害者?を出さない為にも、この記事を連載しようと思ったのです。私が組み立てて、ナンバーを取得した話はいずれここで紹介するつもりですが、とにかくトレーラーにはナンバーを付けなくてはいけないということを認識してください。そして、販売店や輸入代理店もそのことを広くユーザーに認知してもらうように努力すべきです。最近では警察からトレーラーの販売店に通達が出ており、ナンバー無しでの販売はしないように指導されているとのことです。しかし、それを逆手にとって法外な値段でナンバー取得までのセット販売をしている悪徳な販売店もあるので、注意が必要です。

車検を取れるトレーラーと取れないトレーラー

 それではナンバーを取得できるトレーラーと取得できないトレーラーの違いはなんでしょうか?逆にいうと車検を取るためには何が必要なのでしょうか?ナンバー付のトレーラーもそうでないトレーラーも見た目はそれほど変わらないはずです。牽引車と接続するためのカプラーが有って、電気を供給する配線類があって、当然ボートを載せる為のフレームやタイヤはついていて当たり前です。しかしよく見ると大きな違いが2点有ります。それは灯火類と駐車ブレーキです。

トレーラーの灯火類

 何度も言いますがトレーラーは車です。当然、左右に曲がるときに合図を出す方向指示灯(ウインカー)やブレーキを踏むと転倒する制動灯(ストップランプ)は、ナンバーの取得できない輸入トレーラーでも付いています。しかし、その他にも尾灯、番号灯、車幅灯、そして後退するときの後退灯(バックランプ)が付いていないと車検は通りません。最後にこれは電気的な配線は必要ありませんが、側方の反射板が左右に2箇所とトレーラーである事を唯一証明する一辺15cm以上の赤い三角反射板が後ろ側の左右に二個必要となります。大きなトラックを追い越す時に右に出てからトラックではなく、もっと全長の長いトレーラーだったという経験はありませんか?後ろから見ると11トントラックも20トントレーラーもほとんど同じように見えますが、追越をはじめるとトレーラーは全長も意外に長く、慌てる事があります。実は後部を良く見るとトレーラーには三角の反射板が左右に2箇所必ず取り付けられているので判別することができるのです。灯火類や反射板については色や面積、明るさまで規定があるので別表を参照してください。

駐車ブレーキ

 トレーラーのナンバーを取得する中で、もっとも難関といわれるのが、この駐車ブレーキです。これは、牽引車と切り離したときにトレーラーが勝手に動かないようにサイドブレーキの要領でトレーラーを保持するものです。これは海外ではこのような発想がないために、どの輸入トレーラーも日本で加工されたり、日本の販売店が日本用に駐車ブレーキキットを取り付けたりしているようです。単なる車止めでもいいような気がしますがどうでしょうか?

 駐車ブレーキはドラム式と最近ちょっと増えてきたロッド式が主流です。ドラム式というのはご存知ドラムブレーキの事で、回転しているブレーキドラムをブレーキシューではさみ込んで止めるというものです。これは利き味がよく、しっかり効くのですが、構造上完全な密閉はコストも含めて難しいようで、トレーラーを水につけているうちにブレーキシューがブレーキドラムに固着してブレーキが効いたままになったり、逆に駐車レバーを力いっぱい引いていても、ブレーキが効かずにトレーラーが動いたりして一年も持たないものが多いようです。ある大手メーカーのトレーラーもドラム式のため、海で使用しているとすぐ固着したという報告も聞いています。それに対してロッド式というのは、簡単に言うとホイールにロッド(鉄の棒)を差し込んで止めるというものです。これはホイールにロッドが入る為の穴があいているか、又は溝が切ってあるというもので、当然海水で固着するような事はありません。機構的にも単純で、バネの付いたロッドをブレーキレバーで差し込んだり引っ張ったりするようになっています。これこそまさにボートトレーラーには最適の駐車ブレーキだと思います。ただし、欠点もありドラムブレーキはその位置でレバーを引くと、その場ですぐ止まりますが、ロッド式のものはレバーを引いてもロッドが穴に入るまで遊びがあるために、固定されるまで少しぐらぐらして位置が決まりません。また、高級なものではディスクブレーキもオプションで販売されており、なかには手動(ワイヤー式)ではなく、油圧式というすごいものまで登場しています。

最新はチェーン式

 これは最近になってようやく認可されたのですが、チェーン式というのが一番安く上がります。これは何かというとチェーンでホイールをロックするというもので、簡単に言うとバイク等の盗難防止用に取り付けるようなチェーンをホイールに巻きつけてロックするというお手軽なものです。当然、海水による固着はありません。ただし、駐車レバーがあるわけではないので、実際に使うときには左右のホイールをそれぞれチェーンで巻きつけてやらねばならず、少し面倒ではありますがこれで車検が取れるなら安いものです。以前に北海道のユーザーが構造計算書類を添付して突破口を開いたようで、北海道の陸運局関係しか認められていなかったようですが、最近になってようやく全国で認められ、一部の国産トレーラーメーカーもコストダウンの為に取り入れ始めました。これはチェーンまたはワイヤーの径が6m/mならOKで、片側がトレーラーのフレームに固定されている事が条件となります。ドラム式やロッド式はどちらも自作したりキットを購入すると数万円から数十万円もかかってしまいますが、これなら数千円の費用で済むはずです。しかしながら、このチェーンやワイヤーについても強度計算書が必要となり、材質や引張り強さ、径、断面積から計算し安全率2以上である事を証明しなくてはいけません。この辺りがまだ敷居の高いところですが、それでも市販トレーラーでさえ取り入れ始めたようなコストの安さは魅力です。ますますトレーラーが安く買えるようになって、普及してくれるといいと思います。もし駐車ブレーキを自作してナンバーを取得したいと思っている方は、気軽に自分の住んでいる管轄の陸運事務所に相談される事をお薦めします。少なくとも私の住む札幌の陸運事務所は本当に我々ユーザーの身になって懇切丁寧に教えてくれますし、親身になって相談にのってくれます。これも、ただ頭からナンバーが付いていないのはダメという排除の方針ではなく、何とか合法的にナンバーを取得してトレーラーに乗ってもらいたいという札幌陸運の前向きな姿勢に感動すら覚えるといっては言いすぎでしょうか?本州の方々から管轄の陸運では、応対が悪く全然相談にのってもらえないという話まで私のホームページに書き込まれたり、私宛にメールで相談が来たりしています。このような一部の道外陸運の対応は本当に残念でなりません。

車庫証明も必要

トレーラー本体の法律の最後にトレーラーは車ですから当然車庫証明も必要となります。以前の車庫法ではトレーラーも普通の自動車と同様に自宅から2km以内に保管場所を確保しなくてはいけませんでしたが、特例としてキャンピングカー及びボートトレーラーの保管場所として公安委員会から認可を受けた事業者に管理委託、整備委託をした場合に使用の本拠の位置とみなされるようになりました。(平成10年9月3日検察庁から各県警に通達)

 軽自動車の場合は管轄の市町村によって使用者が警察署に届出し、車庫証明のステッカーを受け取る仕組みとなっており乗用車と同様です。